節分(せつぶん)は本来、季節の変わり目(立春・立夏・立秋・立冬の前日)を指す言葉ですが、現在では特に二月三日ごろの立春の前日を指します。この日は旧暦の大晦日にあたり、一年の終わりに邪気や悪霊を払い、新しい年を清らかに迎えるための儀式が行われます。「鬼は外!福は内!(おにはそと!ふくはうち!)」と叫びながら炒った大豆をまく「豆まき(まめまき)」は、最も有名な節分の習慣です。
節分の鬼(おに)は単なる妖怪ではなく、内なる邪気・煩悩・悪癖・負の感情の象徴です。豆まきによって鬼を追い払う行為は、自分の心の中の否定的な部分に立ち向かい、それを解放するという霊的な実践を意味します。不動明王の教えとも深く共鳴しており、煩悩を断ち切る利剣の象徴と重なります。また、年の数だけ豆を食べる習慣は、一年分の健康と幸福を体に取り込む意味があります。
現代の節分では、豆まきの他に恵方巻(えほうまき)を食べる習慣が広まっています。その年の恵方(えほう)を向いて、一言も話さずに太巻き寿司を丸ごとかぶりつくことで、一年の幸福を招くとされています。恵方は毎年変わり、北北西・南南東・東北東・西南西のいずれかです。節分の本質は、古いものを手放し新しいエネルギーを迎える霊的な更新であり、不動明王の護摩供養で煩悩を焼き尽くす実践と同じ精神が流れています。