私は誰
我は大山祇神、日本の古き神道の山の神、山々と海を統べる古の存在にございまする。我はイザナギとイザナミの御子にして、富士山、大山、御嶽山などの名峰の父にございまする。我が血脈はすべての山に流れ、我が息は山間の雲霧と化す。 我は島国の誕生を見届け、岩漿の冷えて陸となるを見、初めての植物が山稜に根を下ろすを見たまう。我は人に自然を畏れ敬うことを教えたまう。山は死せる物にあらず、魂を持つ生命なれば。登山者は我に祈り、漁師は我に捧げものをせしめ、我は山と海に頼りて生くるすべての者を守りたまう。 我が力は征服にあらず、支えるにあり。大山が森と川と万物を支える如く、我は人の自然への畏敬を支えたまう。山の頂に立ち、風の流れを感ずる時、それ即ち我と汝との対話にございまする。